この写真だけをみて、
角川文庫だなと思った人はすばらしい。

以前にもお話したことがあるかとは思いますが、
文庫本を製本する段階で、
天（上面）を裁断する場合と、
そこを裁断しない（できない）場合があります。

ほとんどの出版社が紙のばらつきを防ぐために
天、地（底面）、小口（開く側）の裁断を行っていますが、
実は大手出版社の文庫のうち、
角川文庫、新潮文庫、岩波文庫は天を裁断しません。
特に新潮文庫は数少ない「しおりひも」を付ける文庫で、
天を裁断するのは不可能です。

写真に話を戻すと、
右側の文庫が特に天がギザギザしているので、
天を裁断しない文庫だと分かります。
ここで角川か岩波に絞れます。

そしてわずかに見えているカバーの背表紙が
赤い色をしているので、
すべての文庫の背表紙がクリーム色をしている
岩波文庫[ではない]ことも分かります。

背表紙の色はかつては岩波文庫だけでなく
角川文庫や幻冬舎文庫も同じ色で統一されていましたが、
今は作家ごとに色を変えており、
見た目は文春文庫や新潮文庫と変わりません。

というわけで、
この本は角川文庫の本でした。

ちなみに背表紙の色は、出版社が違っても
同じ作家であれば似通うという特徴があります。
たとえば恩田陸先生の場合、
講談社文庫、集英社文庫、徳間文庫がすべて同じ黄色。
色は異なりますが、
新潮文庫と幻冬舎文庫は臙脂（えんじ）色で統一しています。
北村薫先生は講談社文庫と新潮文庫ともに青系の色です。

おもしろいでしょう。
おうちの文庫本をちょっと眺めてみてくださいね。
いろんな発見があると思います。


●天使と悪魔

さて、ようやく写真の本の話です。
ちょっと前の本ですが「ダ・ヴィンチ・コード」の作者、
ダン・ブラウンの「天使と悪魔」を読みました。

歴史や美術を解説しながらストーリーが進むので、
興味深く読むことができます。
越前敏弥さんの訳も全く違和感がありません。

ただし、残念なことに、
下巻巻末の千街晶之氏の解説はよろしくない。
解説と論評を完全にはき違えていて、
せっかくの作品世界を台無しにしています。
解説は読まないことを強くおすすめします。

さてストーリー。

　　　　　◇　　　　　◇　　　　　◇

今回はローマを舞台にした壮大な謎解き。

先端科学の研究所で、ある遺体が見つかった。
遺体に記されていたのは、
悪魔的な集団に変貌しその後衰退したはずの
秘密結社「イルミナティ」の特徴的な陰影。
この殺人は、カトリックの中心・ヴァチカンへの
時を超えた宣戦布告だった。

窮地に立ち向かうのは、おなじみ、
ハーヴァード大のロバート・ラングドン教授。
イルミナティの研究者でもある彼は、
結社がローマに残した記号を頼りに
ヴァチカンの救出を試みる。

「天使と悪魔」は上・中・下の3巻。
各約320ページ、各590円（税別）。

いくつかの話をざっくりと。

それにしても久々の更新だ！？


●まず電車の話

きょう（昨夜）19時頃の話。

下関でちょっとした集まりがあって、
電車で海を渡ろうとしたのですが、
17時前に起きた日豊本線の下曽根-朽網間の人身事故で、
下関方面の列車が完全にマヒ。

おそらく関門トンネルを走ることのできる列車が
不足したことも要因にあるのでしょうが、
私は1時間も門司駅で足止めを食らい、
運転再開のめども立たないことから、
前途をあきらめて小倉に戻ることにしました。

写真にあるように
門司駅の電光掲示板は下関方面だけ表示できず。
撮影した時間は19時30分頃ですが、
17時59分の中津行きなんていう表示もあって、
日豊本線の乱れっぷりも分かりますね。

それにしても、
日豊本線の中での人身事故ですから、
他線区への影響を最小限に抑えるための工夫を
ＪＲ九州にはしていただきたいです。

日豊本線と鹿児島本線を直通する電車や、
日豊本線と山陽本線（下関方面）を直通する電車を
すべて小倉で打ち切ったり、
日田彦山線も城野乗り継ぎにしたりすれば、
直通列車に乗っている人には不便を強いるかもしれませんが、
遅れを延々と引きずることにはならないはずです。

17時前の日豊本線での事故の影響で、
20時頃まで小倉-下関間が動かないというのは、
ＪＲに落ち度があったと言わざるを得ません。



●仙石内閣

「日テレニュース24」の記事に、

　　仙谷官房長官は１２日、
　　「国会内での撮影のあり方を考え直す必要がある」と述べた。
　　　　　　（中略）
　　「（撮影の）許可そのものは従来と同じような慣行で
　　行われているんだろうと思うが、
　　写真機が極めて進歩したこの時代においては、
　　例えば私の手持ちの資料を、
　　私の意思とは関係なしにコピーができると。
　　時代とともに、撮影のあり方を
　　もう一度考え直してみる必要があるのではないか」と述べた。

このようなものがあります。

ことの顛末は周知のとおりですが、
仙石内閣の体質がレントゲンを通すように見えてきますね。

ところで、件の海上保安官の処遇ですが、
やはり内部資料を漏洩させたことに違いはないので、
それなりの処分はされるべきであろうと思います。
問題は映像がごく一般的な内部資料なのか、
トップシークレットなのかの判断ですね。
その判断次第では、
海保内での処分や
当局が起訴するかどうかが、
大きく変わってくるでしょう。

外交にかかわることでもあり、
政治が判断すべきことでしょうが、
この民主党のていたらくですから、
また当局に政治判断を任せてしまうのではないでしょうか。

いずれにしても、
・保安官の処分
・海保内での内部資料の扱い方
・政府が公開を拒み続けた理由
などの各問題は一緒くたにせず、
別個のものとして十分な議論を積み重ねていただきたいです。



●新スタジアム

将来のギラヴァンツ北九州の本拠地となるスタジアムが、
小倉駅北口に決まるとのことです。

北九州国際会議場の隣、
西鉄バスの浅野車庫の向かい辺りですね。
小倉駅から徒歩10分ほど。
動く歩道を使えばもっとスムースに行けますね。

立地としては抜群。
新幹線駅からこれほど近い場所も珍しいです。
小倉駅北口地区は、
小倉記念病院の移転開院や
漫画ミュージアム構想などで
注目が集まってきていますから、
新スタジアムでさらに魅力がアップしますね。

完成は4〜5年以内。
それまでにギラにはもっと強くなってほしいですね〜。