すでに昇格を決めていたニューウェーブ北九州だが、
地元での最終戦は勝って有終の美を飾りたいという
選手たちの思いが伝わってくる熱いゲームとなった。
審判の判定にも不可解なものはあったが、
全般的に闘志むき出しに見えた。
　
町田ゼルビアは全般的に引き気味で、
４−４−２というシステムではあるが、
６−２−２のような、非常に重たい組み立て。
これに対して縦パスを主体にしかけるニューウェーブは
序盤はことごとくはじき返される。
　
先制点は前半30分に町田。
町田が前のめりに攻めている時間帯、
ニューウェーブゴール前の混戦が解けたところで、
線審がフラッグを上げる。
町田とニューウェーブの双方の選手が
マイボールだとアピールする中、
判定はペナルティエリア内でのハンド。
町田のＰＫとなり、ＧＫ・水原もうまく反応したものの
手をすり抜けてゴール。
　
その後は一歩も譲らぬまま、ハーフタイム。
　
後半もニューウェーブは最終ラインを突破する決め手に欠ける。
ミドルレンジからのシュートを試みたり、
ロングスローで崩そうとするなど、
試行錯誤を続けるが、ゴールは遠い。
町田も攻めきれず、水原の好セーブなどもあって、
じれったい時間が続く。
　
試合が動いたのは後半32分。
ボールを持ってペナルティエリアを強行突破した関が倒されて
今度はニューウェーブはＰＫ奪取。
これを佐野がきっちりと決めて同点。
　
両チームともセットプレー以外での決定的チャンスを作れず、
試合はそのまま痛み分け。
ニューウェーブは勝ち点１を上乗せし、計58。
４位でシーズンを終えた。
　
試合後、与那城監督、横手社長、桑原主将があいさつ。
桑原は「ここからが勝負」と力を込めた。
また、与那城監督の誕生日を祝って、ケーキで祝った。
スポンサーの一つ、スポーツショップの「Regista」からは
記念Ｔシャツが選手らに贈呈。
　
最終戦は引き分けに終わったが、
勝てそうで勝てない、負けそうで負けないのが、ニューウェーブ流。
今季の戦いぶりを象徴するような試合だった。
　
23日の試合でJ2入りが決まっていたこともあり、
一般的な北九州人像からいくと、
「決まったから別に行かなくてもいいや」。
したがってきょうは観客が少ないかと思われたが、
意外や意外、4000人弱が詰めかけた。
そういう意味でも、ニューウェーブへの期待が伺える。
　
きょうは厳しいことは言うまい。
ありがとう、ニューウェーブ北九州。
夢と感動を与えるという今季目標は
十二分に達成できたんじゃないかな。
　
ありがとう。
二度とないこの昇格の感動を、
イレブンの名前とともに胸に刻む。
そして来年はみんなでＪの舞台に立とう。